2018年05月17日

たとえば誰かを知るために


たとえば誰かを知るために、
あなたのそっとしていた
「思い出の扉」を開いたとしよう。

その扉を開けるのを拒む人はこう告げた。

「扉の向こうには猛者がいる」

真実は開けてみなければわからない。

反論した後、
止めても無駄なことを告げた人は悟った。


開けて解き放った、
そっとしていた「思い出の扉」

猛者たちがわたしに駆け寄った。

「なぜ扉を開けた」

「なぜ我々に会いに来た」

「開けたが元の世界に逃げた連中はどうしてる」


彼らの質問には答えず、
質問を受けたいたったヒトリを目指して
突き進む。

彼らは吠えた。


「ああ、また逃げるのか」

「ああ、また去るのか」

「ああ、また我々を無視するのか」


ビルの谷間を抜けて
背後から声は遠ざかり。

静かな木陰にたたずみ、
折れた大木に腰掛けるヒトリの人と出会う。


たったヒトリだけ、
もっとも小さな声で質問される。

「今に『あなた』で、なにが不満なの?」


どんな質問を受けるかわからなかった、けど。
答えは決まっている。

「思い出の中の『自分』を一人ぼっちにさせたくない」


たったヒトリだった過去の自分を連れて、
再び扉の入り口まで歩く。

僕らを拒絶した猛者は
もうどこにもいなかった。

とうとうフタリは扉の外へ出ると、
「思い出の扉」は消えた。

posted by さゆり at 17:18 | 命の解放
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