出かける前、冷蔵庫を開けると、
パーティーがあるらしく、ご馳走の準備が入っていた。
いつもなら丁寧にお湯から注ぐお茶すら、
すぐに飲めるように
作り置きされたお茶も買ってあるようだ。
珍しいたくさんの来客用の品数の中
私が勧められたのは水で薄まったトマトジュースだった。
私は疑問に感じなら、
濃いジュースを飲みたい欲求を抑えられず
それを飲み干した。
差し出した彼女は遠回しに言った。
これから何か起こる、と。
パーティーの準備はできている、と。
あなたにはこれからすぐ起きる前に
血液が足りないのだ、と。
なぜ、彼女は私が夜明け前に
体の血液を月の星に持ち去られたことを知っていて
心臓の発作を起こしたことを知っているんだろうか。
でも彼女は何も言わずに、
たくさんのご馳走の中、
私の体が一番欲するものを選び出し、
堂々と差し出した。
私は結局、彼女に逆らえないまま、
もう少しで逝けるはずだった天国に
断りの電話を入れる。
「すまない、もう少しだけ迎えを待ってくれ」
次にやることは簡単だ。
太陽の星に血液を焼き尽くされにドアを開ける。
そうして新しい血液を生み出して、真昼の太陽に向かって生きる。
2019年01月07日
もしもし、迎えはキャンセルできるかな?
posted by ユーリー at 13:15
| 命の解放