2019年03月23日

情熱を失って集まってきたのは、人々から寄せられた好奇心の炎だった。


全てを受け止めてきた受け皿をあげよう。

皿に溜まった光も闇も全てをあげよう。


受け皿を手放すと、両手には青い炎とオレンジの炎が残った。

そうだ、2つの炎もあげよう。

私には必要ない。

欲しいのは不安のない両手だけ。

いつでも愛し合う人と結べる空の指先だけ。

身体に感じる温もり以外、全てをあげよう。


情熱を焚べる炉も手放した。

壊れても良かったのに
わたしのこころはいつも通りか、前より暖かい。

なぜなら、
私を愛する人々が熱い炉が溢れぬよう
必死に手で支えていたからだ。

あんなに熱かった大きな情熱を
自ら手放し失った。

愛してるを言えなくなった自分に
興味を失うかと思われたが、
あまりの潔さに余計に彼らは応えた。

「炉はもうないけど松明を集めて持ってきますね」と。

posted by ユーリー at 05:00 | 命の解放