たくさんの恋をしたいと望み、
恋したもののそばにいるだけで
良いとしたけれど。
そばにいるだけでは
この星ではあいしてるは伝わらない。
恋するだけでは足りない。
私たちは動き続けなければならない。
あきらめて
まぶたを閉じて
永遠に眠ってしまえない。
鍛え上げられた肉体も意味をなさない。
叫び身につけた声も届かない。
愛を乗せる容量はかぎられている。
すぐに愛は生命力によって
燃やされ燃費も悪い。
こんな星にしか、
愛を乗せる風がないなんて、
宇宙なんて馬鹿げている。
恋することを諦めた文明ばかりが
己の正義を激しくうたう。
故郷にも、花にも、食べ物にも、
アイドルにも、人にも、
空にも海にも人は恋をする。
私たちは大切に恋をして、
大切に恋をされたりする。
宇宙の多くが、
もがきあきらめたことを
私たちは無謀にも
成し遂げようと毎日生きる。
揺れてブレて陥ちるまぶたを感じながら、
重たくなったまぶたを持ち上げ、
何度も愛を感じて目覚めてまう。
諦め悪く、今日もまた。
何かに恋をして落ち込み、
愛を乗せて伝え、
幸せを感じ続けるしかないのだから。