2019年05月08日
誇りはあっても、高いも低いも気にしない仲間。
「やあ、久しぶり。随分かっこよくなったね」
「ありがとうごさいます。相変わらず、可の人に振り回されているのですか?」
「よしてよ、何も言い返せない」
「僕、気づいたことがあるんです。迷いましたけど、あなたならきっと受け止められると思って言いますね」
「この前、あの子にも同じことを言われたような…」
「可の人は、強きものと勝負したいから、あなたの弱さを受け入れる強さを強化した」
「自分より強いやつと勝負すること以外に、成長することは無理なの?」
「アテナ女神の末裔ですよ、無理では?」
「面倒な血族個性だな…」
「面倒くさいひと、お好きですよね?」
「答えたくないな」
「アテナの末裔は今を変え続けようとする変革意識の高い血。勝負好きなのに勝利に満足しない。挑み続ける自分にしか興味がない」
「今の血は他の種族と少し混じっているけどね」
「自分をそのままを愛することなんてできないのが、アテナの血です」
「変わり続ける自分しか愛せないなんて」
「停滞していても、動き出しても、そのままを愛せるのは、弱さを受け入れた人のみができる愛の表現」
「みんなはできないの?」
「できませんよ。ご自分をなんだと思ってるんですか」
「名前もない村人Aかな?」
「あまり現実見ないと僕も怒りますよ」
「ごめん。でも息するより普通のことだから」
「あなたがいることで、何もしない時や負けた時の自身を、劣等感などを浄化できるから」
「強制浄化能力は珍しいものではないけど」
「弱さを受け入れることに特化したのは少ないです」
「愛の先にある弱さなら、個性になって人々を照らすくらい輝くのだけどね」
「可の人がいつ気づくか、ですね。お気をつけください、あなたはつい出来心で、命をかけがちです」
「わかった。カッコよくなっていく君を見るのを楽しみにしているよ、またね」
「あなたが息するだけで、僕達の『変わりたい衝動』を焚き付けてしまうことに、いつ気づくのか…」
posted by ユーリー at 21:57
| 誇り高く美しい瞳