あなたの言葉を読んでいる。
あなたは言葉に魂を込めて
愛に答えるだけ、
心震えただけ叫ぶだけ。
希望を差し伸べるだけ。
あたしは
ここから
愛も、声も、指先も出せない。
だって何もないから、何も変わってないから。
あなたに会う権利なんてないと、
権利なんて誰も主張したことがないものを
屁理屈なんて呟いてみた。
こうした瞬間すら、
愛に震えた手の温もりを思い出す。
どうしてこんなことができるの?
愛されてる不安に答えた。
止まった心がゆらめいた。
鈍くなった体感を呼び覚ました。
あなたに疑問を聞けば、
同じことばで返される。
「あなたの『夢中』が見たいんだ!
過去を認めてくれる人を集めるよ。
健康を応援してくれる人を集めるよ。
勇気に手を添えてくれる人を集めるよ。
この世界をあなたの夢で満たして欲しい!」
それからあたしは…
乱れながら軌跡を辿り進んだ。
練習して上手くなった音を崩して歌う。
避けていた鋭い感性を呼び覚ます。
きっと、あなたは
あの駅からやってきてしまう。
みすぼらしい理想しかを描けない
晒したくもないあたし自身を目指して、
やってきて、手を伸ばす為に。
あたしはまだ、
こうしてあなたの言葉を読んでいる。
手紙の主のあなたが会いに来る。
「私だよ」と宣言する日を
恐ろしくも愛おしいと思いながら。
愛に震えながら希望を胸に生きている。