
さあ、立って。
私たちは手を差し伸べることも、
引き上げることもできるけれど。
あなたを抱き起こす力はまるでない。
あなたを立ち上がらせるだけの力はつけられない。
あなたほどの心も体も
強くなる可能性を秘めていない。
あなたが配ってくれた
種の芽を出すために携えた
小さな栄養が私たちを生かしてくれた。
元々私たちには、この魂には、
今のような勇気や筋肉を育てられる
媒介は存在していなかった。
私たちには、
そのほかは全て揃っているのに。
人間として根本的な喜びひとつ、
何もつかなかった。
今は、まるであなたの分身のような
あなたが配ってくれた種を魂に根付かせ、
心の強さと筋肉のしなやかさを
私たちは個別に分けて手にすることができた。
あなたに会いにいく勇気のある強い心と
ああして手を差し伸べ手を握るだけの
力をつけることができたの。
ねえ、種を蒔いた人。
どうして自分に宿していた種を、
育てるはずだった種を、
私たちに配ってしまったの?
あのあとも、あなたの生命の種は、
もう数粒しか残っていなかったのに、
それすらも地上の女神達に配ってしまった。
でも今、
こうしてあなたは生きている。
残念だと思いながら生きている。
ねえ、当然のことだと思わない?
これだけ多く、
私たちに配れるほどの種粒と
あなたの魂から出た種は生命に満ち溢れ、
他者の別環境に根付いて適応してしまう。
あなたの魂は種別は、
あなたが望んだものではないかもしれない。
たまたま存在する個性。
たまたま偶然、奇跡と気まぐれが
星の元に折り重なって
その場で選択した答えの連続が
あなたという魂に大きな媒介作ったのね。
私たちはそう理解しる。
あなたの魂にあるあまりに大きな媒介に
たくさんの種がやってきたけど。
あなたは複雑な環境下で育てきれなくて
腐っていく種を捨てながら生きた。
あなたはこれを絶望して、
腐っていく種をすてるのが辛過ぎて、
私たちのように種を待つ人々に
何も恩も必要とせず配った。
これ以上は育てられないと
あの宇宙の果てで手放した。
あなたを見ていると、
育てた種に執着を手放せたのは
不思議じゃないの
あなたは種を育てて実を成し、
人々に配り歩く救世主になることに興味がない。
まして、あなたは
種から咲く花にすら興味がない。
咲いて仕舞えばどんな花でも同じ。
新しい種が生まれる次の時間を
こうして楽しみに待っている。
ねえ、あなたの種を拾って育てた人々の
手を取って歩き出して見てどうだった?
どれだけ私たちが非力かわかったでしょう?
でもこれほど生命力に溢れているなんて
さぞ可笑しいでしょう?
でもね、やっぱり、
あなたに会いたくなってしまったのよ。
自分達では絶望して弱っているあなたすら
この手で引き上げられないと思っているのに。
種から出でる生命力が
まだ育ちきれてないと感じていたのに。
私たちはこうして魂からあなたに会いに来れた。
こうしてあなたと手を握り、
全てが揃っているだけで喜びがないあの塔を
一緒に出ることができたの。
理由なんて後付で良いでしょう?
私たちに根付いてしまった種の奇跡は
今感じている生命力は
どんな魂から生まれたんだろうって。
知りたくなってしまうのは、
生命として当然のことじゃない?
気になってしまったの。
溢れる生命をどうやって取り扱ったら
あなたのような種を配る人になれるのかって。
自分でなれるかは別の話、
どうやったか知りたくなってしまった。
ねえ、種を蒔き、大地に生きた人。
私たち、あなたが配ってくれた種のおかげで
生命を感じることができたわ。
けれど、
まだ扱い方を
よくわかってないみたいなの。
だから、教えて欲しいな。
どんな夢を抱いたら、
どんな気持ちを心に感じたら、
勇気や身体のしなやかさを促せるのかな。
私たちは本当にまだ数粒の種から出た苗で
エネルギーで生命を発起している。
私たちもあなたのように
種から苗に育てて、誰かに配って見たいの。
あなたの知らないことを
私たちが教えるから。
あなたができない方法で
私たちが助けるから。
私たちの願いに、
あなたの夢を重ねて叶えてほしい。
あなたが夢みた願いが叶うために
私たちはあなたが飽きてしまうまで
側にいる。
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