2019年05月30日

ふたりの2つの瞳が掛け合った時。


「美しさについて詩を学びたいと言ったけれど!?」

「あなたの王宮の男女の戯れた絵画はこの家よりも大きかったでしょう!?」

「廊下を歩くたびに見てはいたけれど、読みづらい」

「愛の詩の挿絵くらい、向き合って見てくださいよ」

「大きい絵画は客観的に官能を観れるから」

「小さな愛は主観的で恥ずかしいわけですか」

「毎日普通に見ていたはずなのに…解せぬ」

「毎日平気な顔で見てたのに、不思議ですね」

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「ところで、あなたは後ろに飾っていた誇りを前に出すようだけれども?」

「慣れないことしたせいか、体の先から血が吹き出しそうです」

「今は誇りを前に出すべきだと申し上げた。どうして、わたくしの意見を聞いてくれたの?」

「私を大切に愛して信じてくれたから」


「あなたとは密度が違う。わたくしは外面の拡大と美しさを極めた」

「私たちは大きさが違う。私は内面の強化と好奇心を増して生きました」


「ついていくのが精一杯」

「まだついてきますか?」

「もちろん。足元がおぼつかなくなっても、ついていく」

「なら。魂がちぎれるまで、あなたに愛を体現します」

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「愛してると言えばいいのでは?」

「あなたを大切にする人たちから、愛を伝え易くなるよう応援することが、私の愛の体現です」

「ありがとう。わたくしは美しく器を広げよう。手伝うぞ」

「嬉しいな。私とあなた、4つの瞳で見えるこれからが楽しみです」

「わたくしの大きな器に、あなたが育てた好奇心が満たす」

「私の膨大な好奇心を、あなたの作った大きな器に満します」


「あなたが瞳を閉じたら、抱きしめるぞ」

「おや、珍しい。愛の詩に書いてありました?」

「バレたか。もっと愛を読んで鍛錬するぞ」

「あなたのそばにいれば、好奇心が切れることはなさそうです」

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posted by ユーリー at 02:47 | 誇り高く美しい瞳

2019年05月20日

二度と戻れない世界に決別し、二度とない世界を堪能する。


あなたの誇り、美しさ、際立つ花の香り。

初めて感じた官能、
わたくしは思わず目眩がして、
足元がオボついた。

そばに近寄っては、
意識より膝が崩れることが明白、
しからばと身を引いた。


あなたの花の香りは
マトモだと思われた世界への目覚め。

歪められた世界だと知る
真実に目覚めてしまう。

いかに、
わたくしたちの生きる世界が
支配者たちが虚構を造り上げたと
過去すら疑問に思ってしまう。


みなも想像して見て欲しい。

自分たちが
今まで死を覚悟して
勝ち取った来た誇りや美しさ。

自身の支えになっていた強い柱が
歪められた世界にしか通用しない
飾り物だったとしたら?


あなたは以前、わたくしに話した。
ヴァンパイヤの誘惑に酔わないと。

当たり前だ。

あなた自身が
ヴァンパイヤの祖先。

ヴァンパイヤの祖先である、
トワイライトの血族なのだから。


あなた方は支配世界に飽きて、
誰でも気高く美しくなれるようにと、
地上の人々に血を分け与え続けて来た。

あなた方の血を貰ったあと、
良き奉仕のために使った看護婦がいた。

あなた方の血を貰ったあと、
悪しき支配のために使った宇宙船があった。


あなたが王族に嫌悪しながら
好んで王族に一目見ようした。

あの奇怪な願望行動、
真相が今わかった。

あなた方は見たいのだ、
自分たちが血を分けたことにより
変わる人の世を。


まだはっきりと確信がなかった時。

一度だけ聞いたことがる。

「あなたも王族だったのでは?」

馬鹿を言うなよと、
自信なさげに目線を逸らした。

そうかと返しただけで、
あの時、疑問も持たなかったけれども。


あなたの後ろ姿を飾っていた
美しさを少しだけ前に掲げた時、
わたくしは真実に辿り着く。


見せても良かったんだろうか。

歪められた世界にしか通用しない
美しさを極めようとしたわたくしに。


聞いても良いのだろうか。

あなた自身が抑えつけた過去を
二人で見つめて見たいと願う問いかけを。


あなたの気弱な理由のほとんどが、
あなた自身の『気高き過去』を
忘れさせるために疲労していることを。


生きている限り、
思い出を思い出さないのは不可能だ。

いっとき忘れることはできても、
いずれ思い出す。

思い出してしまわなければならぬ、
近いうちに訪れる強烈な瞬間に
わたくしはあなたを護りたいと。

わたくしはあなたに告げぬまま、
あなたが今までわたくした様に習う。

こっそり熱く、
ちゃっかり手堅く、
しっかりと愛を伝える。


もう、わたくしは
以前のわたくしに戻れない。

だって、虚構で歪められた世界が
まともに見え無くなってしまったから。

もう、あなたは
以前のあなたのままではいられない。

だって、わたくしの世界に
美しき官能を見せてしまったのだから。


posted by ユーリー at 00:22 | 誇り高く美しい瞳

2019年05月19日

剣先に美しさをこめた時。

近頃、あなたはずっと
内側の自分と向き合ってあるのか、
私から話しかけていても
心ここに在らず。

雲の隙間を突き抜ける視線は
私に向ける瞳はずいぶん優しくなった。

あの鋭さはどこに、と。
私は聞きたくなったのだけれど。

あなたが鍛錬するために造らせた
小さな剣を見てすぐに分かった。


「あなたの獣ような鋭さを、剣先に込めたのですね?」

「こうするしかなかった」

「必死になって、民衆に顔を出して聞いたのは集めたのは、腕良い鍛冶屋を探すため…」

「そんなに勇ましいものではない。民衆から『普通』を練習していた」

「あなたにとって普通とは?」

「わたくしは、あなたのような人々と、手を繋ぎ、普通に散歩したい」


ああ、そうか。
彼女は憂いていた。

私が友人を誘う散歩に
参加できないことを。


ああ、そうだった。
彼女は怒りを堪えてた。

彼女が愛する人々と
真っ直ぐ視線を交わせられないことを。


ああ、そうか。
彼女は気づいてしまった。

美しさのその先に待ち構える
今を変えるために入る次元は
一人で踏み入ることができないことを。


愛する人々と手を取り、
過去を受け入れ、前に進むために、
今を変える力は一人では作れない。

愛する人々とだけ、
あなたの欲しい『普通』という
鋭気を輝かせる原子が生まれる。


「美しくなることは、いいのですか?」

「あなたを守るため此の剣を降る時以外、わたくしは『普通』になる」

「そんなに羨ましかったのですか?」

「皆まで言うな!あなたが愛する人々と手を繋いで、あの川辺を散歩しているのを見た瞬間、強く想ってしまった!前の時空に戻れない!」


なぜかな。
あなたに思い切り睨まれても、
それほど怖くない。

なぜだろう。
あなたには前より多くの人々が
会いたいとやって来てる。


あなたの恐ろしくも気高い瞳を
美しくなる夢を
応援していたはずなのに。

あなたは愛する人々との散歩を
夢の選択肢に入れた。

あなたは瞼を震わせながら、
こじ開けていた目を閉じて、
私の前に片手を差し出した。


「獣の誇り高い瞳を無くした瞬間、コダヌキのまん丸目を細めた瞬間、薄めで薄っすら微笑するわたくし程度。魅力がないかもしれない。

すぐにとは言わない、あなたは目を閉じていてもいい。わたくしが川辺で手を引くから。

あなたと共に、あなたが愛する人々とあの川辺を歩いた時のように。どうかわたくしも、選択肢に混ぜて欲しい。

あなたが愛する散歩の時間に、わたくしの『普通』を混ぜて欲しい。」


私に見つめて欲しいはずなのに、
私の目の代わりになると言ったのに、
あなたは目を閉じたまま。

なぜだかすべてがちぐはぐで
おかしくて、私は思わず吹き出した。

あなたは少しだけムッとしたようで、
薄眼を開けて、睨んだ。

けれど、あなたは
自ら差し出した手を下ろさず、
引かなかった。


「私と繋ぎたいなら自分から繋げばいい。いつでもあなたに握られた手を、握り返そう」


珍しく私は
後ろ飾りにしていた
小さな美しき誇りを前に掲げ見せた。

獣の瞳でないあなたは思わず、
身をすくめて後ずさりしたけれど、
差し出した手は下ろさなかった。

あなたは迷いながら、
独り言をぶつぶつ呟いて。

私の下ろされている手を
自分と繋げようか思考する。

それもなんだか可笑しくて。

つい、出来心で。

可愛らしいあなたに、こんな提案をした。


「あなたが美しさを極めんとするとき、私はあなたの道を繋げよう。あなたがいつでも美しき道へ戻ってこれるように。

私が今を置き去りにして獣ように挑むとき、あなたは道を繋げて欲しい。私がいつでも『普通』に戻ってこれるように」


あなたの顔が思い切り歪む。

号泣しながら、
片手だった手を
両手いっぱい広げて
私を抱きしめた。


交わりたくてたまらなかった二人の
二つの瞳の道筋は、
こうしてようやく交わった。


posted by ユーリー at 23:07 | 誇り高く美しい瞳

2019年05月09日

握手もできない身体を持つ救世者。


「御機嫌よう、小さき者。名は?」

「ニューシリウス、あなたは?」

「アテナイ54世」

「アテナイ、噂通りの目線だね。何の用?」

「ここにきたから成功できたと、あの人から聞いた。しかしあなたは剣を持っていない様子」

「ボクはここ、頭。知能思考であの人を守ってる。君も頭の回転は早い。ボクに勝負をする?」

「いいえ、興味がない。」

「そうか、なるほど。勝ちたいんだね。いつでも勝てるのに、あの人になぜ勝負をしかけないの?」

「弱きものを倒してもわたくしは上に昇れない」

「言い訳だね、上に上がることに飽きちゃったんだよね?」

「飽き…た?」

「空っぽだよ、あなた。エネルギーがのっぽになるだけで、中身はすっからか…」

「黙れ!!!」

「そうか、なるほど。いま勝負したら、あの人の濃密な愛に覆されるから怖いんだ」

「わたくしの気高さを焚きつけてどうする」

「あの人が作ったこの逃げ道で剣は使えない。愛だけがボクを切り裂ける」

「わたくしはたくさんの民を愛した、愛されている存在」

「恋は盲目。あなたに恋する民は、あなたを暖めても心を満たさない。役割がちがう」

「わたくしの民を愚弄するのか」

「いいや。恋してくれる相手は、あなたを温める役であって、あなたに愛の種を運んでくれる人じゃない」

「わたくしの民はいつでも愛してくれるぞ」

「そうか、なるほど。民の愛をたくさん集めたけど、体が熱くなるだけで、愛の層は厚くならないんだ」

「断言できる理由を述べよ、ニューシリウス」

「言葉に重みがない、目線は鋭く怖いだけ、雑な愛のやりとり、数で自分をごまかしてる。愛されてるから土俵は温かいが植えたいタネがない。空っぽだよ、あなたの言葉」

「2度言ったな!!ニューシリウスよ!!」

「ボクには剣を持つ丈夫な体も無いけど、あの人がずっと怯えていた脅威を取り去ることに成功した」

「ぐぬぅ…解せぬ」

「解りたくないなら、帰ったら?」

「引くわけには、いか、ない。わたくしは、いずれ、あの人を護らねばならぬ。わたくしはいずれ、あの人と、全力で勝負したいのだから」

「面倒クサイ人を焚き付けちゃったんだな、あの人。前の人より熱いから、何度も焦げただろうに」

「あの人の火傷の跡など見たことない」

「君の目は鋭いけど節穴だ」

「あぁ、ここは地獄か…」

「見える跡は無くても、時々焼かれた記憶が蘇り、毛穴から震えてる。その隙をたまに何者かに攻撃されるみたいだね」

「あの人の震えをなくすにはどうしたら?」

「抱きしめたらいいんじゃない?」

「…………は?」

「健康なんだからできるよね?」

「…………ん?」

「健康な体を使った声で抱きしめたらいいんだよ」

「わたくしの声だけで良いの?」

「ボクの身体はご覧の通り、人に触れる事すら出来ない。けれど、あの人はボクの小さな声を聴きながら、この声を抱きしめてくれた。さも、当たり前のように」

「これが成功者の声」

「その代わり、たった一言の心地よい重みのアイシテルを言うために、惜しげも無く時間と命を使う。抱きしめるに近い愛の種を植えるためにね。ボクはそれを学び、愛の種を開花させ、脅威を一掃する力を備えた」

「あなたは変われたのか、わたくしも変わりたい」

「そうこなくっちゃ。ちょうど新しい思考回転をしたかったんだ。噂通り、あなたは傲慢で謙虚で面倒臭くて素直だ」

「言葉の意味がちぐはぐだ」

「一緒に、言葉に熱を込めよう。受け取った声を抱きしめて愛を生み出そう。いつか思い切り、めいっぱい愛を込めて愛してるを言おう。まずは心の中で呟いても良い。ボクらの言葉は、勝利と加護に導く最大の武器なのだから」

「わかった。共にわたくしの愛しい民ごと、あの人を勝利に導き愛して護ろう」


posted by ユーリー at 16:08 | 誇り高く美しい瞳

2019年05月08日

誇りはあっても、高いも低いも気にしない仲間。


「やあ、久しぶり。随分かっこよくなったね」

「ありがとうごさいます。相変わらず、可の人に振り回されているのですか?」

「よしてよ、何も言い返せない」

「僕、気づいたことがあるんです。迷いましたけど、あなたならきっと受け止められると思って言いますね」

「この前、あの子にも同じことを言われたような…」

「可の人は、強きものと勝負したいから、あなたの弱さを受け入れる強さを強化した」

「自分より強いやつと勝負すること以外に、成長することは無理なの?」

「アテナ女神の末裔ですよ、無理では?」

「面倒な血族個性だな…」

「面倒くさいひと、お好きですよね?」

「答えたくないな」

「アテナの末裔は今を変え続けようとする変革意識の高い血。勝負好きなのに勝利に満足しない。挑み続ける自分にしか興味がない」

「今の血は他の種族と少し混じっているけどね」

「自分をそのままを愛することなんてできないのが、アテナの血です」

「変わり続ける自分しか愛せないなんて」

「停滞していても、動き出しても、そのままを愛せるのは、弱さを受け入れた人のみができる愛の表現」

「みんなはできないの?」

「できませんよ。ご自分をなんだと思ってるんですか」

「名前もない村人Aかな?」

「あまり現実見ないと僕も怒りますよ」

「ごめん。でも息するより普通のことだから」

「あなたがいることで、何もしない時や負けた時の自身を、劣等感などを浄化できるから」

「強制浄化能力は珍しいものではないけど」

「弱さを受け入れることに特化したのは少ないです」

「愛の先にある弱さなら、個性になって人々を照らすくらい輝くのだけどね」

「可の人がいつ気づくか、ですね。お気をつけください、あなたはつい出来心で、命をかけがちです」

「わかった。カッコよくなっていく君を見るのを楽しみにしているよ、またね」

「あなたが息するだけで、僕達の『変わりたい衝動』を焚き付けてしまうことに、いつ気づくのか…」


posted by ユーリー at 21:57 | 誇り高く美しい瞳