私たちは中間を行き来する不安定で不確かな遺伝子を持っているのだから。有効に使わないのなら、肉体などいらぬと思え。
肉体は多くすべからく、望んで手に入れた者しか手になどしない。魂を安定させる器など、虚空の果ても知らぬ宇宙に幾兆もあるのだから。
光に戻りたいものなどのために振り返ることなかれ、先行く道を見ろ。
闇に染めたいものなどのために前に視線を移すな、歩いてきた足跡を見ろ。
宇宙の創造は予感もできぬ、色ない白いままの不安定な未来を選んだ。
宇宙の歴史は記録すら捨て、一色の黒く塗りつぶされた安定して安全な過去を捨てた。
繰り返されることのない歴史にするために、私たちの不安定で不確かな遺伝子、心というものから決断する選択を望んだのだから。
我々はただ、生きるのみ、生きて己を受け入れ、変わりたいままに変わって征ける。
光にも闇にも行こう。どちらも染まることができる、どちらも染まらぬこともできる。
どちらも、染まり切ることがない存在を楽しめ。