2018年04月19日

最後には愛しか残らなかった。


満員電車、高い湿度。

遠慮のない人が放つくしゃみ・・・

車内はいつも何か、熱く。


ここは暑いくせに、
人の冷たい感情から何かを生み出す。


こうして毎日、仕事へ赴いているが
どうして毎朝の出かけはギリギリなのだろう。

気分を変えて帰り道のコースを変えたら、
そんなに代わり映えもなく。


なぜ、私は変化を求めるのだろう。


私は友人とコーヒー片手に語らった。

「なぜ人は変化を求めるのだろう」

するととんでもない答えが私を出迎えた。

「モテたいからに決まってるだろ?」


モテたい・・・から・・・


ああ、そうか。

私がこうして毎日、
時間ぴったりに仕事に赴くのは、
信頼、人気、注目を浴び、愛されたいのだと。

その先に、その結果のさきに、
きっと愛があるのだと教わり信じていたのだ、と。


私は友人と紅茶を片手に語らった。

「愛を得るにはどうしたらいいのだろう」

「もうあるだろう?」


友人は私の手とジャスミン茶に触れて語った。

「こんな話を真面目にできる、友が大切だ」


結果を求める先には愛は存在していなかった。

結果を求めようと歩く途中に転がっている。


そうして給料という名の報酬を受け取り、
カフェのレジに手渡したあと。

私たちには愛しか残らなかった。

posted by さゆり at 10:10 | 命の解放

2018年04月12日

美しさがそこにあるように。

美しさと魅惑の微笑みに
あぐらをかいていたお姫様がいた。

なあに、彼女は計算高い。

いずれ老いゆく美しさにも幻滅しない伴侶を探すため、
わざとドレスに大股開きで座ってみせたのだ。


求婚を迫ったかの王子たちはこう申しあげた。

「ああ、魅惑的な姫よ。
あなたは美しいだけでなく荒々しい力強さを見せる」


賞賛の声が鳴り止まぬ、
人はほとほと、自分の想像を裏切るもとに期待をかける。

ドレスに隠れたこの脚が、
子鹿ほどの細さしかないことを彼らは期待している。

瞳に隠した偽りの強さが、
子犬一匹痛めつけられぬことを彼らは期待している。

自分の都合の良いように、
産み親から与えられた美しき顔から
すべてを理想で想像して期待してく。


しかし、私にかけた
王子たちの期待もそれまでであった。

私が子供が埋めぬ体と知った。
彼らとの謁見はことなくして消滅していった。


二人の王子が現れた。

「たまに、普通に座る美しいお前もみてみたいな」と笑った。

「たまに、普通に座って周りを驚かせよう」と笑った。


彼らは二人とも親友であった。

そしてわたしは彼らの友となった。


私が子供を埋めぬ体と知ったあとですら、
彼らは良き友人でいてくれた。

彼らに私のことを尋ねると、
こんなことばを返してくれた。


「お前の女らしさなんかに期待してないな」

「そうだとも、友達が愛されているのはいいものだ」


「お前と何か楽しいことができることに期待している」

「そうだとも、友達と楽しく成長できるのはいいものだ」


勇気は今こそ出すべきだ、
彼らとの友情を彼らと同じように言葉で示そう。

「さあ、いってみろ」

「お前が俺たちに期待していることはなんだ」


今まで期待してないそぶりを見せた私を正直に話して、
笑って許してもらうのだ。


「ずっと側で笑っていてほしいと期待してるわ」

結局、私も彼らに
何も期待してなかったわけではなかったんだ。

期待される心地よさを知ったわたしに何も恐れはない。

もちろんだとも、もちろんいいさと。

肩を組みながら、私たちは城を去った。

posted by さゆり at 11:22 | スピリチュアルの解放

2018年04月09日

最後の一雫は体を冷やしもするし温めもする。

飲み干したあとの一雫を飲もうと、
必死にカップを覗き込む。

必死になるわたしをよそに、
一雫だけじゃなく二雫もポタポタと
テーブルに滴り落ちる。

ある日こんなことを考えた。

残ったカップの唇に救いきれない水滴跡、
コーヒー占いのように模様の描きを見て、
私を占うのだ。

なになに、どおれどれ。

声消えて離れた恋人、
声届かぬ仕事の想い、
声発せず感謝の言葉。


冷え切ったコーヒーの一雫を飲み干すと
しゅうっと喉の奥が静まり返る。

ああ、わたしには語釈が足りない。

わたしには励ます語釈がない。


喉を通り過ぎた冷たいコーヒーは
わたしの背筋を冷やす。

そんなわたしは
しばらくコーヒー占いを封印したんだ。



「ねえ、コーヒー占いって知ってる?」

無邪気に彼女は答えた。

「ああ。知ってるよ」

興味なさそうに答える。


なるべく耳を開かないように、
おそらく最期の一滴まで、
すべからく何事も起きないよう祈りながら。

わたしは半ば心は必死に
大切な彼女のまえで丁寧に
カップのコーヒーを飲み干す。

「最後を丁寧に飲む人って素敵ね」

冷え切ったコーヒーの最期の一雫が、
喉を通り過ぎた。


ああ、わたしには語釈が足りない。

わたしには愛をつぶやく語釈が足りない。


喉を通り過ぎた冷たいコーヒーは
なぜか全身を温めた。


今は、少しだけ、
消えてしまう最後の一滴を楽しめる。

posted by さゆり at 06:53 | 命の解放

2018年04月06日

幸せのチャンスしか見えなくなるほど追い詰められる。

目を覚ませとは言わない、

こっちを見てとも言わない、

視線を合わせてなんて絶対言わない。


けど、ずっと気配を感じてる。

言い訳をさせてくれない幸せな気配。


闇の隙間から囁きが聞こえる。

「ほおら、幸せになれないと言う、暇がある?」

どんどん、追い詰められていく。

さらに幸せになるチャンスしか見えなくなる。


過去を振り返る暇を無くされて、
ひとたび不幸な未来を描こうとすれば
小さな幸せが押し寄せる。

ああ、やめてくれ。もっと言い訳させてくれと。

あんなに幸せになりたかった「あたし」がつぶやく


どこにも言い訳できないように、

幸せの気配は
想像を超えた未来の先の壁際まで追いつく。

もっと笑顔で受け取るものだと思ったら
運命の女神は私の思考を置き去りにして、
過去に心から願った誓いを果たそうとする。

過去に嘆いたわたしが叫んだ誓いを
「幸せになる可能性しか見たくない」と
力強く天に解き放ったあの誓いを。

彼女たちは面白がって
叶えてみせようとしたのが運の始まり。

ついでに熱を冷まさぬ女神フレイアも
面白そうな誓いを叶えてみせようと参戦した。

女神たちは面白がって、わたしを幸せの瀬戸際まで追い込んだ。


そうしてここにわたしが出来上がった。

何が起きても、誰と愛し合っても。

今を嘆くために用意した過去の記憶より
未来の幸せな可能性が見えてしまう能力になった自分に。

ようやく諦めがついた頃
わたしを追い詰めた女神たちに新しい誓いを立てた。

女神は面白がって誓いに旗を立てた。

この幸せな人生の可能性しか見えなくなる波紋に
地上の人々を巻き込んでしまおう。

すべての人々の波紋がそれぞれ導きあって
重なり合った時、
地球に絶望して眠っていた女神たちが目覚める。

すべての女神たちがすべて目覚める時、
わたしたちの未来はどうなっているか、
それは誓いを立てた自分たちにもわからない。

けど、少なくとも、今よりは。
美しい未来を描けていると思う。

なぜならこの星は、
宇宙に見捨てられた人間の幸せな可能性を
諦めず見守ってきた地球なのだから。

わたしたちはどんな場面でも、
諦めることも忘れてしまうくらい
宇宙の法則にはなかった規定外の
幸せな未来を描けてしまうだろう。

posted by さゆり at 00:14 | 命の解放

2018年02月15日

幸せになりたいんだろう?

愛してほしいとか、愛したい人が欲しいとか。

面倒くさい事言うなよ、幸せになりたいんだろう?


それくらいで幸せになれるんだったらいつだって
捨て猫のオレが死ぬまで優しくしてくれたあなたに
いつだって助けに行くけれど。

それくらいで、
幸せになれると本気で思ってるのか?


好きになってくれる人、好きな人。

あなたがあいつらに気づくだけで幸せになれると、
本気で思っているのか?


あきれた、
あなたの愛はそんなもんじゃないだろうよ。


面倒臭い事言うなよ。

愛されたいとか
愛したいとか。

そんなはじめの方でつまづいているのはどうしてだ?


オレが幸せに撫でられている様子を見ているだけで
あなたが幸せになっていたのを
オレは知ってるんだ。

あなたが使わない毛布を「太陽に干したよ」と
数日おきに変えてくれたのを
オレは知ってるんだ。

もう、愛なんてとっくに手にしてる。
そう、愛し方すらもとっくにやっている。


どうして人間同士になると複雑になる。

単純な愛を知る人同士で、
容易に愛を感じる同士で、
確かな愛を認め合ったらいい。


愛を思い出すだけで幸せになるだけのあなただじゃない。
愛を知ったら動き出したくなるのがあなただ。

あなたとつながってオレは幸せだった。


そうさ、オレみたいなやつとあんたは幸せになればいい。

俺たちはたしかに愛し合ったのだからな。

な、シンプルだろう?幸せになるなんて。

posted by さゆり at 19:20 | 命の解放
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