2019年03月07日

しあわせのため息

ある町にまっしろな猫がいました。

きれいな声で鳴く猫は、猫のみんなの悩みを聞いているやさしい猫でした。
そして、まっくろな犬が苦手でした。

つよくて恐ろしい犬、猫は目を見るだけでおびえていました。

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posted by ユーリー at 16:50 | 童話

マントル・ファン

ある日、近くから小さな声を聴いた。

歌声のありかを探していたら、
美しく歌い上げていたアイドルいた。

マントルのファンとなり、歌声を世界中では飽き足らず、
宇宙の端まで届けようと走り尽した。

歌声を広めようとしたファンは
途中でシリウス達ならびにこれを応援する存在
彼らの激しい権力争いと嫉妬に狂った者たち出会いう。

彼らからアイドルの偏った様々な情報が宇宙中に通達される。

自分たちの歌声こそ、正義と光である、と。
彼女の歌声は美しいが粗すぎて危険だ、と。


たくさんのファンが離れた。

しかし、応援者は自分の好きな『歌声』をあきらめなかった。
何度も、幾度も、過剰に歌声をたった少数で取り扱い、宇宙へ広め続けた。

あまりに熱い歌声に直接触れたことで、心臓に大きなやけどを負った。

不整脈に悩まれる日々、夢うつつ現れたのは、
この身が焼けれ切ってもかまわないと思われた
地殻のアイドル、マントルだった・・・

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posted by ユーリー at 14:44 | 乙女たちの台詞集

2019年02月22日

美しさを極める面白いひとの出会い。


誇り高い女性が言った。

「あなたの誇りを取り戻せば、
わたくしはもっと美しく輝ける」


取り戻すとは一体。

私にとって誇りとは、
前に掲げるものでも誰か励ますものでもなく。

時々、信念を気まぐれに貫くと、
後ろに少しだけ付いてくるものだと思っていた。


誇り高い彼女が言った。

「あなたはなにも知らない。
なにも知ろうとしない。
あなたの誇りを知ろうともしない」


何も知らないとは一体。

私にとって知るとは、
彼女が言い放つ美しいものよりもっと野蛮なもの。

時々、好奇心の数だけ心を使うと、
身を刻まれるような野蛮な行為だと考えていた。


美しき誇り高き人の気配を
純粋に良いと感じたから、
気まぐれに玉座を眺めに来たはずなのに。

初対面にして玉座から離れ、
こちらに近づき、
目線逃さぬように睨みかけられる。

私は恐ろしくて、怖くて、
底が見えない圧倒的な愛を前にして、
震える脳内で溺れながら、
言葉もがき、必死に言葉をかき集めた。


「私の誇りは、
生きた後ろついてくるものであるのです。

自分では見ることはできません。
鏡にも映りません。

あなたの言葉を信じるしか、
誇りを知ることができません。

でも、もしも、あなたが、
私に誇りを取り戻して欲しいとするならば、
あなたのそばにいることで
私は誇りを取り戻すことができるでしょう」


それでいいというように頷くと、
長く座って来た玉座に、
自らのマントとブーツを置いた。

積み上げた誇りを捨てた彼女が言った。

「あなたは私の瞳の中を見て、
誇りを思い出すのだ。

わたくしはあなたの瞳の中に
誇りを思い出そう。

わたくしたちは対等となり、
さらに美しくなるぞ」


とんでもないことをしてしまった。

後悔先に立たず。覆水盆に返らず。
井の中の蛙、大海を知る。


彼女の捨てた誇りや輝きが、
王座を囲む騎士や大臣たちに
振り分け与えられて行く。

与えられて歓喜する人、
与えられて悲しむ人、
与えられて何も考えられなくなる人。


なんとも言えない場の空気の中、
私が言えたのは、たったひとつの質問だけ

「あなたに嫌われるまで、
私はそばにいることしかできないよ?」

ふふんと、誇りを失ったのに
前よりも美しき彼女が言った。

「この世界に生まれ落ちたのだから、
さらに美しくなり続けたいと思うのは
当然のことだろう?」

答えになっていないような答えを
ウィンクをしながら言い放つ。


もうあの瞳からは逃がしてくれないだろう。

私が己の誇り
というものやらを思い出さない限り。

美しき彼女がさらに美しくなる限り。

posted by ユーリー at 12:45 | 誇り高く美しい瞳

2019年01月19日

おなじ歌を謡いにやってきた。


さあ、ココダ!ここをタタキ破れ!!

ここをタタキ破れば、
好きな声で歌う彼女の目の前で
あの歌を聴くことができるぞ!


大きくて黄金の金槌を持った大男達は
続々と数えきれぬほど集まってきて。

大気を覆う鉄板を叩き続けた。

厚い鉄板は大男達の腕力で
どんどん凹んでいったけれど、
彼女の歌う場所まで届かない。


もう少しで鉄板は地上差し掛かる時、
一人の少年がやってきた。

「これ以上叩き続けたら、
彼女が育てた花園を一緒に叩き潰してしまうよ」

彼らは慌てて、叩くのを一斉にやめた。


大男達は今まで頼んだこともない知恵者に頭を下げて、
鉄板を切り裂く光線銃を借りようと駆け出した。

知恵者達は拒否をした。

叩き破るような野蛮人には
この銃を使いこなせない、と。


落ち込んで帰ってくると、少年が駆け寄ってきた。

大人から教わったわかるだけの知識を話した。


「元気を出して、地上まであともう少し。

僕らも歌声に合わせてともに歌を贈ろう。

そうすればあの暗闇で作られた鉄板は、
愛のエールによって
錆びて朽ちて形を保てず落ちていく。

あなた達がここまで叩いてくれたから、
あと、もう少しなんだ。

これからは、
あの小さく聞こえる美しい歌に、
そば耳を立てて必死に聴くんじゃない。

僕らから声を届けるんだ。

僕らの歌を彼女に聞いてもらうんだ。

厚い鉄板に向かって、
僕らが彼女に向かって歌ってみよう」


歌は聞くものとばかり思っていた大男達は、
下手くそで、不器用を隠さず、
地上を覆う鉄板に向かって
大きな腹の底から大きな声で歌い続けた。


地上の歌姫は鉄板から震えて聞こえる
不器用で荒々しい美しい声に気がついた。


彼女は空に尋ねた。

「あなたは誰?
あなたの聞いたこともない声が好き」

大男達は大地に答えた。

「歌が好きな男達です、
ずっと聞いていたあなたの声が好きです」


2つの声が「好き」を呟いた時、
大気は揺れて共鳴しする。

共鳴振動は音波となり、
地上間際まで凹ませていた鉄板は、
重力もさほどかからずあっさりと崩れ落ちた。


彼女と彼らは出会った。双方は同じ歌を歌った。

IMG_9038.JPG

少年は言った。

「錆びるのを待つ必要なんてなかったね」

posted by ユーリー at 20:16 | 命の解放

2019年01月07日

雄叫びの上がってしまう幸せ手にする。


生きようとしている頃よりも、
周りから生かされている今の方が
私の命がきらめいてみえる。

「もっとあなたの先を見たい」.
「もっとあなたと先を行きたい」.
「さらに私たちとともに行きませんか?」.


君たちの私を見る目が煌めいていて好きだった。

私は毎日、その目を見ることだけに集中した。

私はただ、その一瞬を生きる。


「あなたはどうして無謀に前に進み、
だれとでも話そうとするのか」

いいや、それは重要じゃない。

「あなたはなぜこんなに
後ろを振り返っても戻ってこれるのか」

違うよ、それは簡単だ。


答えはいつも単純、
見たいもののために毎日を生きるからだ。


予想外のことが起きた時、
あなた達の目は見開く。

枠からはみ出た幸せを感じると、
君たちの目は輝く。

その目が見たいからだ。
それ以外、私にとって対したことがない。

ひたすら毎日、もっと、もっとみたい。
もっと増やせるはず、もっとだ、もっとだ。

あの目が宿る人々の街の隙間を散歩したい。


未来へなにも不安がなく
過去になんの恐れもなく、
予想外を受け入れられる余白を
いつでも手に入れているあの目。

世界がどうであろうと、
予想外のことを受け容れる体軸はこんなものだよと。

少しだけコツを教えているだけなんだ。


でもね、覚えていてほしい。
私みたいなおかしなやつは、世界にけっこういる。

彼らを見つけてあげてくれ。

彼らに同じように声をかけ、
応援してほしいんだ。

みんなの、あなた達の、君たちの応援の声は
少しくらい飲まず食わずでも、
生きられるほど生命力を宿しているから。


頼むよ、見つけてあげてほしい。

応援の声をかけてあげてほしい。


私たちはいつも、
暖かで時々わがままで優しい
周りからの好奇心の炎で生かされている。


私たちの欲が今は必要であるから、私はここにいる。

この欲が必要でなくなった世界に
私たちはいない。

その時は思い出を名残惜しそうにせず、
手放して、新しい次元の果てに行くよ。

また、見つけに行こうと思うんだ。

枠からはみ出して、
目を見開き、
こんな幸せもあるんだと。

思わず雄叫びをあげたくなるような幸せ手にした
そんな顔にできる人々の元に。

posted by ユーリー at 14:04 | スピリチュアルの解放